なでしこ 鮫島 夢は「しれっと“寿引退”」！？

トランク１つの“裸一貫”で乗り込んだフランス。サッカー漬けの日々を送っており、まだプライベートを楽しむという状況ではないようだ。やっと住むところは決まったけど、まだ引っ越しができていないんです。ホテル生活で、あんまり外に出歩くこともないですね。食事もホテルの中でほとんど済ませちゃう。まだパリにも行けてないし（笑い）

なでしこジャパンでは美人選手の１人として人気が高い。美容にもこだわりがある鮫島にとって、ファッションの国・フランスとは。欧米の選手は化粧をほとんどしないんです。化粧水も使わない人も結構多くて。日本から持って行った化粧品やシャンプーをずっと使っています

なでしこジャパンや６月まで在籍した東京電力マリーゼのチームメートとも連絡を取り合っているという。
連絡は来るけど、みんな“ちゃんと生きてる？”みたいなのばっかり。（なでしこジャパンのＤＦ）熊谷（紗希＝ドイツ・フランクフルト）とは毎日のようにスカイプやってます。ヨーロッパにいるんで、オフに他の国にも行きたいです。パリで（欧州組と）女子会がしたい！

来夏のロンドン五輪のカウントダウンは始まっている。鮫島にとって五輪とは。
五輪の金メダリストで思い浮かぶのは“超気持ちいい！”北島康介さん。あれは見てましたよ。
正直、昔はほとんど（五輪を）意識したことがなくて、何となく４年に１回ある大会だな、みたいな。
北京もそう。でも今は全く違う感覚。自分の目標そのもの

Ｗ杯で優勝したことで、なでしこジャパンは世界中のライバルから追われる存在になった。


Ｗ杯では次にやったら勝てるか分からない試合も多かった。目指すのは金メダルだけど、チャレンジャーとしてやっていきたい。日本のサッカーと言えば組織力。繊細さは欧米のチームにはまねできないものもあるので、日本の特徴を生かしていけばいい。そこに米国やドイツのようなパワーが身につけば無敵だと思う

これまでは周囲からアドバイスを受けながら人生の選択をしてきたが、現在は自らで明確な意志を持って行動するようになったという。フランスへの移籍もその１つだ。

なんとなくやってきた人間なんです。小中学生の頃は友達と普通に遊びたかったし、サッカーをやめようと思って練習に行かなかったことが何度もあった。けど、気が付いたらまたサッカーをやっていた。今の自分は変わったと思う。五輪という明確な目標があるし。（フランスで）学べる事を吸収したいし、どこでサッカーをやっていても常に成長していたい

なでしこジャパンにとって欠かせない中心選手が思い描く将来像とは。
今の下の世代にはいい選手がたくさんいますよね。私はしれっと“寿引退”できればいいなと（笑い）。
予定は…全くありません！

◆公式ブログ開設　鮫島の公式ブログが近日中に開設されることになった。
フランスでの生活など、自らの言葉でファンに向けて情報を発信していく。

◆鮫島　彩（さめしま・あや）１９８７年（昭６２）６月１６日、栃木県生まれの２４歳。常盤木学園高（宮城）から０６年に東京電力マリーゼ入り。福島第１原発事故によるチーム活動休止を受け、今年６月から米女子プロリーグ（ＷＰＳ）のボストンに移籍。９月からモンペリエと２年契約を結んだ。０８年になでしこジャパンに初選出され、北京五輪はバックアップメンバー。国際Ａマッチ通算３８試合２得点。利き足は右。１メートル６３、５５キロ。